第6章 関係
「…」
「まぁ、無理ですけどね。」
「早く立てよ!お前重いんだよ!!ほら!!早く立て!!」
「やだっ!!やだあああああ!!!やめてくれええ!!!」
「やめてくださいっ…!」
「…」
「彼を…殺さないで…ください……お願いします…。」
私は紘太さんに頭を下げた。
「…なんでコイツを庇う必要があんの?」
「!…だ…だって……殺されちゃう……。」
「アンタに手出したから殺すんだよ?いきなりちゅーされてびっくりしちゃったでしょ?」
「で…でも…。」
「……わかった。」
「変更ですか?」
「…シュウ。」
「わかりました。」
「え~…ほら、あがれよ、靴脱げ。」
イチさんが命令すると、男性は靴を脱いで家に上がった。シュウさんもその後ろについていった。
「あ…あの……何するんですか…?」
「コイツが死ぬのは嫌なんでしょ?だったら…別の方法で痛めつけるしかないかな~。」
説明しながら、イチさんはその男性をロープで縛り、白い布を口に巻いた。手足は縛られていなかった。