第6章 関係
インターホンが鳴り、紘太さんが玄関に向かった。
「おい立てやこらぁ!!」
「!…」
イチさんの怒鳴り声が聞こえ、ドアを開けた途端、部屋に倒れ込んだ男性。首根っこを掴まれていた。
「あ、コウちゃん。コイツ…かな?菜月ちゃんにちゅーしたの。」
「!…」
「イチ、大声を出さないでください。」
「だって~!コイツが立たないから!」
「はぁ…。」
「菜月。コイツ?」
「っ…。」
下から私を見つめる男性。間違いなくこの男性にキスをされた。
「…」(でも……どうしよう…この人…殺されちゃう…の…?いや…でもまさか…。)
わからないが、紘太さんならやりかねない。
「っ……そう…です…。」
「…イチ。」
「は~い、じゃあ部屋汚れるから外行こっか。」
「!…ま、待ってください…!彼をどうするんですか?」
「え~?決まってるでしょ?」
「…殺すんだよ。」
いつもより声のトーンが低くなった紘太さん。
「やっ…!やだ!!やめてください!!お願いします!!なんでもします!!だから」
「うるさいですよ、騒がないでください。」
「たっ…頼む!!」
彼は泣きじゃくりながら紘太さんを見つめた。