第6章 関係
「…はぁ…。」
「あ、あの…!」
「!…」
「し、東雲さんの…知り合いの方…ですよね…?」
「え……。」
商店街を歩いている最中、話しかけてきたのは、ツーブロックの男性だった。
「お、俺!墨入れてもらいたいんですけど!どこにいるのかわからなくて!案内お願いしたいんですけど…。」
「あ…。」(え…で、でも…私が勝手に連れていっちゃっていいのかな…。)
「てかいつも遠目でしか見れなかったんですけど可愛いっすね!!名前なんて言うんですか?」
「え…ぁ…菜月って言い」
「んっ…。」
「…!?」(唇に……違和感……。)
話している最中、いきなり顔が近づいてきてキスをされた。
「あ~、やっぱり可愛いっすね……俺の家来ないっすか?」
「!…し…失礼します…!」
私は横を通り過ぎ、走って家に戻った。
「はぁ…はぁ…。」
玄関のドアを急いで閉めた。
「っ…。」
手の甲で唇を押さえ、家に上がった。
「…どうした?」
「!…あ…っ……い、いえ…なんでもないです…。」
バンッ…!
彼は壁に手を付き、私を見つめた。
「!…」(か……壁ドンって…レベルじゃない…。)