第6章 関係
「へっ…くしゅっ…!」
外に出されて10分が経った。気温は4℃。
「っ…。」(さすがに12月に薄着はしんどい…。)
暖房が効いていたから部屋は暖かかった。
「!…」
下駄の音がして、顔をあげた。
「ど…どうしたんですか…!?こんな寒いのに外にいて……コウさんに怒られたんですか…?」
「!…周一郎さん……違うんです……ちょっ…ちょっと…事情が…。」
「…?」
*
「…なるほどね……コウさんは色んな女の人に手出してるから、彼女なんてそんな面倒なもの作らないと思うけど…。」
「…」(面倒なもの……。)
「……ひとまず…私は鍵を持っていませんし……とりあえずウチに来てください。風邪ひいちゃいますよ?」
「…す、すみません…。」
寒さには勝てなかった。
「ひとまず、コウさんに電話しておきますね。多分急用ではないですし…。」
歩きながら電話をしてくれた。
「…」(この紙袋…何が入ってるんだろう…。)
チラッ…と中を覗くと、黒い袋に包まれていた。
「…」(見えない…。)