第6章 関係
「まぁ、出かけてるならここで待つことにするわ!どいてくれる?」
「…」
息が詰まる…苦しい……。
「もう、どいてってば!!」
彼女は肩をわざとぶつけ、家の中に入っていった。
「…」
立ち尽くすことしかできなかった。
「っ…。」(紘太さんにとって……私は何……?)
いくら10年間も見続けてくれていたとはいえ、肝心の言葉を貰っていない。関係が曖昧なままだ…。
「もうっ!煙草の吸殻こんなにたくさん!片付けないんだから~!」
彼女は灰皿を片付けたり、部屋の掃除をしている。
「…」(あぁ……本当の彼女さん…なんだ……。)
「てかアンタ、ヤり終わったんならいつまでも家にいないで出ていってくれない?目障りなんだけど。」
「え…。」
「…聞こえなかった?出てけって言ってんの!」
私の横を通り過ぎ、玄関のドアを開けると、腕を掴まれ外に出された。
「!…」
バタンッ…!
「…」(え…。)
スマホも机の上。薄着で寒い。
「っ…。」(寒い…。)
おまけに鍵までされてしまったので戻ることも出来ない。