第5章 貴方に優しく他人に冷たく…
「あれ、シュウちゃんは初めて会う子だよね?」
「初めまして。柳周一郎と申します。」
着物を着て黒縁メガネをかけたとても綺麗な男性だった。髪の毛は小豆色に染まっており、右目の下にはほくろがあった。
「あ…は、初めまして…。」
「シュウちゃんは凄いんだよ~!?ハッカーだからね!何でも出来ちゃうし!」
「そんな…なんでもなんて出来ないですよ。」
ニコニコと微笑む彼。皆手元にはトランプがあった。どうやらゲームをして遊んでいたらしい。
「…菜月。」
「!…」
「…こっち。」
「は、はい…。」
冷蔵庫からお茶を取り出し、紘太さんの隣に座った。
「相変わらず可愛がってるんだね~?コウちゃん。」
「…」
「よ~し!俺の番!」
なんのゲームをしているのかわからなかった。