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彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第4章 恐ろしさ


*


彼は玄関の掃除をして、私はテレビを付けてニュースを見ていた。



「…」(お腹減った……。)



膝を抱えてニュースを見ていると、掃除が終わったのか紘太さんは隣に腰をおろした。



「…お腹…すきました…。」

「…買い物にでも行くか。」

「!…は…はい…。」(一緒に…買い物…?)



彼はテレビを消し、立ち上がった。鍵と煙草、お財布を持って玄関に向かった。私もその背中を追いかけた。



*


「…!」



外に出ると手を繋いでくれた。時刻は18時。



「!…やべっ…。」

「おい…避けろよ…!」

「やばっ…。」



商店街にいる彼のことを知っているであろう人達が目を背ける。彼のことを知らない人達は避けもせず買い物を続けていた。



「…」(有名人…なんだなぁ……悪い意味で…。)

「菜月。」

「!…はい…!」(初めて名前呼ばれた……。)

「…何食いたい?」

「えっ……あ…えっと……卵料理…食べたいです…。」

「…ん。」
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