第2章 異常な愛
舌がびりびりと痺れる。涙目のまま彼を見つめると…今度は唇にキスを落とされた。
「んっ…ぅ…。」
キスの味も…苦かった。
*
客人が来たのはそれから10分経った頃だった。インターホンが鳴り、彼が出た。
「久しぶり~!」
かなり陽気な男の子だった。年は私と同じくらい…見た感じ未成年っぽいけれど……。
「あれ…女の子?って……あ!探してた子じゃん!」
「…ふーっ…。」
「へぇ…いいねいいね、可愛い子じゃん。初めまして!」
私のことを見るなり、ニコリと微笑み挨拶をしてきた。
「あ、そうだコウちゃん、はいこれ。」
紙袋の中から煙草のカートンを出し、渡していた。
「…あぁ。」
「あと頼まれてたやつね。」
「ん。」
紙袋をそのまま渡した。
「で、なんだっけ?菜月ちゃん、だっけ?」
「!…」(どうして…私の名前を…。)
「まぁコウちゃんの物だからさすがに手は出さないけどね。あ、俺一之瀬って言うの。気軽にイチって呼んで?」
ニコリと微笑む彼。オレンジの髪に帽子を被っており、まるで少年のようだった。