第2章 異常な愛
*
数分して彼がお風呂場からリビングに戻ってきた。
「あ…の……。」
「…」
「ごめんなさい……か、勝手に…スマホ見ようとして……。」
タオルで髪を拭いている彼に謝った。
「…別にいいけど、なんで見た?」
「い…居場所……どうしてわかったのかな…って…。」
「…」
「…」
答えは教えてくれなかった。
♪~
「!…」
彼の電話が鳴った。
「…何?……あぁ、いいよ……ん。」
電話はすぐに終わった。
「…?」
「…人が来る。」
彼は一言そう言い、煙草に火を付けた。
「…」(ずっと…煙草吸ってる……。)
机の上にはライターが3本と灰皿が置いてあった。わりと綺麗好きなのか、灰皿には吸殻が3本しかなかった。
「…」
彼は私の前にしゃがみ、吸っていた煙草の吸口を私の口に押し付けた。
「ん…っ…。」(吸え…ってこと……?)
私はそっと息を吸った。口から煙草を離された。
「っ…!げほっ…げほっ…!」
息を少し吸うと煙が喉へいき、むせてしまった。
「げほっげほっ!」(苦い…っ…。)