第2章 異常な愛
チリン……
「!…」
熱くもなく…鈴の音がなり手に少しの重みが伝わった。
「…え…。」
「鍵、持ってねぇだろ。」
「…は…い…。」
私の口からはなんともまぬけな声が出た。掌には鈴と熊のキーホルダーが付いた鍵が乗っていた。
「ふーっ…。」
彼は机の上に置いてあった灰皿に煙草を押し付け火を消した。
「…で、次許可なく外出たらもう2度と家から出せねぇようにすっから。」
「!?…」
とりあえず…許可を貰えば外出はしていい…みたいだけど……まだ…全然彼が怖いです……。
*
「…」(結局戻ってきてしまったぁ……。)
家(仮)に帰ってきた……。
「…」
彼は何も言わずお風呂場へ…。お風呂に入るらしい。
「…」(そういえば……なんで場所が分かったんだろう…。)
スマホに怪しいアプリは入っていなかったし……。
「…」(紘太さんの…スマホに……?)
恐る恐るお風呂場ヘ行き、バスタオルの上に置いてあったスマホを手に取った。黒いカバーがしてあるシンプルなスマホ。ボタンを押すとやはりパスワードが必要だった。
「…」(ロック画面の写真も盗撮したやつ…。)
どこかの帰り道で撮られた写真だった。