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彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第2章 異常な愛


*


「ん…っ…?」(煙……?)



目を開けると、うっすら煙が見えた。そして鼻をくすぐる煙草の匂い……。



「…!?」



椅子に座り、煙草を吸っている彼の姿が見えた。驚きすぎて声が出ず、飛び起きてしまった。



「っ…。」(ど…どうしてここに…。)



ベッドの上で座り込んでしまった…。私が起きたことに気付くと、彼は椅子から腰をあげ、近づいてきた。



「…誰が部屋を出ていいと言った?」

「…ご…ごめんなさい…っ…。」




天国のお母さん、お父さん、お兄ちゃん、親戚のおばさん……もうそちらの世界へ行けるかもしれないです……。



「…ふーっ……手、出せ。」

「!…え…。」

「…」



煙草の煙を吐き、私に煙草の火を近づけた。



「っ…。」(そういうこと……手を灰皿にして火を消させろってこと……!?)


でももう…逃げられない……。



「…っ…。」



私は思いきり目を瞑り、両手の掌を前に出した。
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