第12章 【番外編】 東雲紘太という男
12歳になった奴らには、1時間の外出許可が降りた。外出をする時間帯は14時から15時。
「…」
「…」
「…なぁ……。」
行く場所は公園。いつも同じ場所。
「…俺らは……もうそう長くは生きられねぇ…。」
12で最年長とはいえ、この3人、いつかは呼ばれ、そして……あいつの実験台になる日が必ず来るはず。
「…だから…」
「親無し~!!」
「!…」
声のする方を向いた。でもその「親無し」という言葉は、俺達に向けられたものではなかった。
「お前の兄貴は自殺したんだろ~?バカだなぁ!!」
「可哀想~!!」
「…」
ランドセルを背負っている年は俺らと近い女だった。
「…」(可愛い…。)
侮辱されているのにも関わらず、表情を全く歪めずに歩いている彼女。
「…コウさん…?それで…続きは…?」
「!…あぁ…。」