第12章 【番外編】 東雲紘太という男
「!…おえっ!!」
あまりの受け付けなさに吐き出してしまった。
「っ…!」(なんっだ…これっ…!!クソまずい!)
俺が吐き出した瞬間、皆の視線が俺に向いた。視線はすぐに戻されたものの、冷や汗をかく者もいた。
「…?」
疑問に思ったのも束の間。次の瞬間、顔に痛みが走った。
「食べ物を吐き出すとは、作ってくれた人に申し訳ないと思わないのか?」
「っ…!?」
顔面は食器の中に、頬や鼻にご飯が付着した。
「食え!!落ちたものも全部!!」
「っ…。」(そういうことかよ…。)
俺の目線の先にはあの2人がいた。黙々と、何も喋らずに口に食事を運んでいた。