第11章 あなたのいない世界
コウちゃんは足を組んで、アクリル板に顔を近づけた。
「お前は、ようやく俺に解放されんだよ。」
「!…」
「でも、他の奴と一緒になったら、地獄で呪ってやるからな。」
ヘラヘラと笑うコウちゃん。私は……そんな冗談も笑えない…。
「…」
「……笑えよ。こんな異常者目の前にして、メソメソ泣いてんじゃねぇよ。」
「っ…コウちゃんっ……。」
「…お前は俺がいなくてもちゃんと飯食ってクソして、風呂入って、当たり前のことして、そんでちゃんと生き」
「私は…コウちゃんがいない世界なんて嫌だ!」
「…バカ言ってんじゃねぇよ。」
「っ…ねぇ…コウちゃん……好き。」
コウちゃんは私の目を見て口を開いた。
「愛してる。」