第9章 あなたの為ならば…
「…はよ…。」
「あ、おはよう。」
コウちゃんが起きてきたのは、10時過ぎだった。私が起きたのが7時頃だったので約3時間後。
「ずっとニュース見てんの?」
「ううん、占いとかやってた。」
「へぇ…。」
さも当たり前かのように私の後ろに座り、抱きしめた。
「…コウちゃん。」
「…」
「イチさんに、首のタトゥーの意味、聞いた。」
「…ん。」
「…私も、タトゥー入れたい。」
「やめとけ。」
「なんで。」
「…良い事ねぇよ。」
「なのにコウちゃんは入れてるじゃん。」
すると、コウちゃんは机の上の煙草とライターを手に取り、火をつけて煙草を吸った。
「…うるせぇ…。」
「私も入れたい。お金払う…。」
「いくらかかるか知ってんの?」
「し、知らないけど…。」
「100万。」
「えっ!?」
「嘘だよバカ。」
そう言い、私の頭の上に手を置いた。