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彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第9章 あなたの為ならば…


*


「っ…。」



どれくらい殴られていたのかわからなかったけど、彼女は気が済んだのか、肩で息をして私を見つめた。



「さっさと別れなさいよ。」



もう…体のどこが痛いのかもわからない。血は出ていないけど、内出血を起こしている箇所もあった。



「っ…フッ…絶対嫌だ…っ…。」



私は軽く笑いながらそう言った。



「っ…!うっざ!!」



彼女は私の顔をもう1発だけ殴り、家を出て行った。鼻の奥から液体が垂れてくる感覚があった。



「…」(鼻血…。)



ズキズキと痛む体を起こし、ティッシュを取って鼻を押さえた。



*


「…派手にやられたなぁ…。」



洗面所の鏡の前に立ち、体を確認した。顔は鼻血と目の下に少しひっかき傷が残っているだけで済んでいた。問題は腕や脚。体を守るために腕や脚を使って、体を丸めていたから、青あざや内出血を起こしていた。



「…救急箱…。」



棚から救急箱を取り出し、入っているもので処置をした。
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