第9章 あなたの為ならば…
「…コウちゃんは…今出かけています。なのでここにはいないです…。」
「…あの…彼女さんじゃないんですよね…?どうして捨てられないんですか…?」
「…か、彼女に…なりました……だから…」
「!…うそでしょ…?だって紘太君は私と結婚してくれるって言ってたもん…。」
「…でもそれは…」
「人の物勝手に横取りして…最低。」
「!…」
彼女は土足で家に上がり、私に近づいてきた後、首を絞めた。
「っ…く…っ…!」(は…?)
いきなりのことで頭が追いつかなかった。
「アンタなんかいるから……紘太君はいつまで経っても私を見てくれないのよ…っ。」
「っ…!」(苦し…っ…。)
彼女の腕を掴むも、力が入らない。
「ぁ…っ…。」(意識…とびそ…っ…。)
そう思った瞬間、解放された。
「はぁ…っ…はぁ…っ…げほっげほっ…!」
「ホント最低っ!死ねよ!!」
今度は顔や体に衝撃が走った。きっと蹴られたり殴られたりされているのだろう。