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彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第8章 重たいので…


「うわっ!?」



背中を蹴られたのか、その男性は咄嗟に私の手を離し、前に倒れた。



「ってぇな!誰だよ!」

「!…コウちゃ…っ…。」

「あ?テメェこそ誰だよ。」



コウちゃんは手を伸ばし私を引き寄せた。



「!…」(心臓の音…速い……走ってきてくれたのかな…。)

「はぁ!?俺は……っ…!?」



その男性はコウちゃんの容姿を見て1歩後ろに下がった。



「い…いや…はは…っ…か、彼氏いたんすね……し、失礼しました…っ…!!」



男性は走って逃げて行った。



「…こ、コウちゃん…あ…ありがとう…。」

「…ん。」



私の頭を優しく撫で、うっすら……本当にうっすらと…微笑んだ。



*


「外出禁止な。」

「え、コウちゃんが普段ついてきてくれるのについてきてくれなかったからじゃん!」

「あ?」

「コウちゃんのせいだー!外出禁止にするのはおかしい!」



帰り道、プチ喧嘩勃発。



「…一生家から出さねぇからな。」

「すみませんでした。」



いさぎよく謝った。
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