第8章 重たいので…
「っ…。」
「ねぇ、なんで逃げるの?」
「!…」
振り向くと、その男性が立っていた。帽子を深く被り、顔があまり見えなかった。
「っ…ぁ…。」
「俺のことあんなにやらしい眼で見てたくせに…思わせぶり?ねぇ…なんで?」
スマホを持っていない方の手を掴まれた。
「っ…!や…っ…やめて…ください…っ…!」
「はぁ?やめて?冗談でしょ?俺に犯されたいんでしょ?」
「っ…!」(気持ち悪い…やだ…やだ…っ…。)
震えが止まらない。
「俺と、楽しいことしようね?」
「っ…。」(コウちゃん…っ…。)
涙がいっぱい溜まった目をぎゅっ…と瞑った時だった。
「邪魔。」