第8章 重たいので…
*
「っ…!?」(待って待って!!やっぱり気のせいじゃない!!)
あの後、普通に歩き始めたけれど、やはり気配を感じ振り向くと、さっき会った男性のコンビニ店員が私の後をついてきていた。走れば相手も走るし、止まれば相手も止まる。
「っ…。」(どうしよう…。)
とりあえず走って近くのスーパーに入った。広いスーパーで人も多かった。
「…」(コウちゃん…。)
スマホを手に取り歩きながら電話をかけた。
「っ…。」(出てくれるかな…。)
初めて自分からコウちゃんに連絡をした。
「ん…どうした?」
「っ…も、もしもし?コウちゃん…?だ、誰かに…つけられてて…こ、怖くて…。」
「…今どこ?」
「い、家の近くのスーパー。お、お仕事中なのに…ご、ごめん…。」
「電話、切んなよ?とりあえず買い物してるフリしとけ。今から行くから。」
「!…う、うん…。」
「ん。」
「え…どうしたんですか?」
電話越しにシュウさんの声が聞こえた。
「ちょっと出てくる。」
一言そう言い、ドアを開ける音が聞こえた。