第8章 重たいので…
「っ…。」
「…ん。どうした?」
ちょうど電話が終わり、何があったのか聞いてくれた。
「!…いや…な、なんでもないよ……お茶、買ってきた…。」
「…菜月。」
「っ…。」
体が震える……。
「…」
お茶を渡した手をそのまま握られ、そのまま歩き始めた。
「…次は…容赦しねぇ。」
「え…?」
「…」
*
家に帰ると、シュウさんが玄関の前に立っていた。
「あ、おかえりなさい。買いたいものあったのでついでにと思って。」
「…待たせた。」
「いいえ~。私も今来たところですから。」
「…イチは?」
鍵をあけ、家に入った。
「腰痛めて寝てます。」
「…またか。」
「だって浮気したんですよ~?体に教え込まないと。」
「…」(こ、怖い…。)
定位置に座り、コウちゃんと話し始めた。
「…」(プリン……買い忘れた…。)
冷蔵庫を開け、にらめっこ……。どこを見てもプリンは入っていない。