第5章 合同任務
「錆兎、気付いているか?」
「あぁ、どうやら向こうから来てくれたようだな」
冨岡と錆兎の動きに合わせ、華恋も歩みを止める。
「……そこの三人。この様な山里に何の用か」
「山伝いに富士の裾野まで向かいたいのですが、駕籠役の者が怪我をしてしまい、代わりの者が来るまでの間、こちらで宿をお貸しいただけたらと……」
段取りの通り、里の者への対応は錆兎が行う。
「ほう。駕籠を利用する割にはお供が少ない気もしますが……?」
「少々、訳ありなのですよ。奥様、足は大丈夫ですか?」
「お気遣いありがとう、錆兎。少し疲れただけだから平気よ」
つっこまれた時は冨岡が市女笠を外すというのが錆兎の考えた奥の手である。
そしてこれが、効果覿面(てきめん)であった。
里の男達の顔が冨岡を見るなり、朱に染まっていく。