第4章 日常
上機嫌で水屋敷に戻る。
「ただいま戻りましたー」
「おう、おかえ、り?おい、義勇。知り合いか?」
錆兎は華恋のあまりの変貌ぶりに気付いていないようだ。
「おかえり。華恋」
「ただいま戻りました、冨岡さん」
「華恋!?」
「獅子嶋さん、その反応は失礼ですよ」
「だって、嘘だろ?」
華恋はこんなお嬢さんみたいな格好しないし、似合うと思えない。
「どうせ、似合いませんよ」
ふんと鼻を鳴らして台所へ引っ込む。
獅子嶋さんの料理に大量の砂糖入れてやる。
あ、でも砂糖高いんだよね……
代わりに醤油入れよう。
こうして、今日の錆兎の夕餉は醤油味の物ばかりになった。
「冨岡さん、湯浴みが終わったら、精神統一を一緒にさせてもらえませんか?」
「構わないが……」
「じゃあ、あとで伺いますね」