第4章 日常
「それで、どれくらいの長さにしたいの?」
しのぶに聞かれ、そう言えば決めていなかったと気づく。
「じゃあ鏡を見ながら決めましょうか」
カナエがにっこり笑う。
「束ねて結ぶのも良いけど、たまには髪型を変えてみるのも楽しいものよ?ある程度長さを残しておけば、お団子も出来るわよ」
「お団子?」
「こうやって丸く束ねるのよ?」
「へぇー、しのぶも器用だね」
「蝶屋敷の子の髪を最近結ってあげてるの」
「そうなんだ」
あの勝気なしのぶが、小さい子のお世話を。
ちょっぴり感動。
「今余計なこと考えたでしょ?」
「え?」
何で気付かれたのかな?