第4章 日常
「どうした?華恋?」
義勇の問いかけにうまい返事を返せない。
「いいえ、別に……」
「那由多は帰って来たのか?」
カァー。
「華恋。カナエ非番!蝶屋敷行ク!」
「良かったな、華恋」
「………行って来ます」
「どうしたんだ?華恋?」
「獅子嶋さんには関係ないです……」
ぷぅと頬を膨らませて、那由多を連れて水屋敷を出た。
午後からの外出は珍しいので、足取りも早くなる。
夕餉に間に合うように早めに帰らなきゃだし……
あれこれ考えている内に蝶屋敷に着いた華恋は蝶屋敷の門を叩く。
「どちら様ですか?」
蝶屋敷に常駐している隠の隊員が出てきた。