第4章 日常
冨岡さんは意外と周りを見ているなぁと思いながら、居間まで一緒に配膳を運ぶ。
「お待たせしました、獅子嶋さん」
「おう!」
義勇と二人で配膳を並べていく。
錆兎の唐辛子の粉末も並べられるが。
「あ、獅子嶋さん。一口目は?」
「そのままで、だろ?分かってるよ」
「よろしいです。では!」
「「「いただきまーす!」」」
朝は二人が稽古をしているので、華恋は片付けをしながら台所でおむすびをつまむのだが、昼餉、夕餉は三人一緒に食べるのが通例になった。
「椎茸、美味いな」
「旬ですからね」
「ちょっと甘くないか?」
「もうー、獅子嶋さんったら!」
これも最近恒例のやり取りである。