第3章 同居
と、錆兎に伝えるも……
「寝間着は幾つか支給してもらったものがあるから、華恋は新しいのを使えば良いし」
「えっ!?」
「錆兎…」
「風呂は交代で入れば良いし、空き部屋もあるぞ?」
「……………」
これは……
逆に帰る理由が無いぞと、暗に言われている?
「華恋…」
「あの……」
正直揺らいでいる自分もいる。
自分の今使っている屋敷より、こちらの方が格段に部屋も広いし……
いざとなったら、大声を出せばいいかな?
「冨岡さん、守ってくれますか?」
「おい待て、どういう意味だ!」
心外といった雰囲気で錆兎が声を荒らげる。
「どうもこうも無いだろう…」
冨岡が淡々と答える。