第3章 同居
「冨岡さんは鮭大根以外に食べられるものってありますか?」
「…………魚」
ちゃんと返事してくれる。
冨岡さんは優しい。
「お魚ですね。丁度鮭も余ってますし、朝食に切り身を焼きましょうか?」
「お!明日の朝ってことは、泊まるのか?」
「へ?」
確かに、朝食を作るなら泊まった方が早い。
でも……
村田の言葉が甦る。
『男二人で住んでる所に女の子ってのはなぁ…』
二人が何かしてこないって可能性も無い訳ではなくて…
「無理はしなくていい…」
「冨岡さん…」
無愛想に見えても以外に優しい…
「何を迷う事があるんだ?」
どっちかと言えば、警戒するのは獅子嶋さんだし…
「お風呂とか着替えとか……女の子は色々準備が必要なんです!」