第3章 同居
「着いたぞ?何を一人で百面相している?」
「してませんよ!」
さっきまで格好良いなんて思ってたなんて、口が裂けても言えない。
水屋敷に戻り、台所へ向かうと、唐辛子を咥えた錆兎が待ち構えていた。
「遅い、まったく二人で何してたんだか…おい、義勇」
「何だ?」
「何だじゃない!何で華恋の手を握ってるんだ!」
「コイツがふらふらしていたからだ。他意はない」
繋いでいた手を離される。
「へ?」
あれ?何で私抵抗しなかったんだろう?
それに、ちょっと残念に思うのは何で?
「華恋?華恋!」
錆兎に声をかけられてようやく我に返る。
「はっ、すみません!今からちゃちゃっと作りますから!」
こうなったら、台所に引き篭ろう。
料理して、煩悩?を蹴散らすんだ。