第3章 同居
これはひょっとするかもしれない。
「因みに獅子嶋さんはどのくらいの量をいつも食べられているのですか?」
「ああ、コレくらい」
ドンと差し出されたものはどんぶりに入った白米……の筈が、まだらに赤く染まっている。しかも更に山になってご飯の上に鎮座している。
「コレ毎日、ですか?」
「当たり前だろう?」
思っているより重症らしい。
ちょっと目眩がしそうだ。
いや、目に染みった。
涙が出そう……
「……コレ、私が料理しても変わらないのでは?」
「ところで…」
「はい。何ですか?」
「得意料理は何だ?」
うーんと首を捻ってから考える。
「えっと…肉じゃがですかね?」
「肉じゃがと言えば芋と肉だな!」
ぽんっと手を叩く。
「え?はい…獅子嶋さん?」
何故か目を輝かせる錆兎。
「狩りに行くぞ、義勇!」
自給をしたいという意味だろうか?
「はぁ。八百屋と肉屋で買った方が早い…」