第2章 指名
華恋が尋ねると。
「あぁ…」
村田が手で顔を覆う。
「お?興味出てきたか?」
錆兎がにこにこと笑みを浮かべる。
あぁ、駄目だ。
知らない内に流されてしまっている。
「いや、実は最終選別の時にさ…」
「最終選別?」
何故にそんなに前の話に?
「こいつが藤襲山の鬼を一人で狩りまくってたから…そん時アダ名が付いたんだよ、絶対無敵の錆兎隊長ってさ」
「絶対無敵…」
スゴすぎる。
「冨岡さんと村田さんは?」
「……(怪我をしてたから)よく覚えていない」
「俺は逃げるので精一杯だったよ…」
何だろう、村田さんには何故か親近感が沸くなぁ。
私もあそこ怖かったし…
師匠の試験も怖かったけど。