第2章 指名
この先輩どこかで見覚えがあるんだけど……どこだったかな?
というか、何で柱二人と普通に喋ってるんだろう?
「あぁ、俺?俺、村田。一応こいつ等と同期なんだけど……見事に先越されてさー」
視線だけで、自己紹介してくれた。
気がつく人だなぁ。
あ、でも…うっすら目尻に涙が溜まっているのは気のせいだろうか?
「ったく、一応俺も水なんだからな!お前ら少し加減しろよ!」
村田が力一杯叫ぶ。
「嫌だね、悔しかったらとっとと上がって来い」
と、錆兎が舌を出す。
「村田、おまえは呼吸を使いきれていない…」
対してふぅと溜め息を吐く義勇。
「何だよ、冨岡。その残念そうな顔は!」
「あれ?なんで呼び方違うんですか?」