第2章 指名
「久しぶりだな、村田」
「いつの間に名前を…?」
錆兎の突然の登場に驚く村田を他所に義勇は話しを進める。
「あぁ、隠に聞いてきたんだよ。目立つ奴なら記憶に残ってるだろ?」
「お前、隠に知り合い居たの?」
村田は見知った隠、数名の顔を思い浮かべる。
「馬鹿にするな。これでも一応柱だぞ?隠に知り合いだっているさ」
「へぇー」
物言いたげな視線で二人を眺める村田。
「何だ…?」
「気持ち悪いぞ?」
何でこういう時だけ意見が合うんだよ!
「ヒデェな!」
同期三人で盛り上がっていると…
件の人物がそこを横切った。
「あ!」
村田が指差す先に居たのは、あの日見初めた少女の姿。