第3章 出会い
*五条悟 視点*
目の前で眠るのは呪われた月眼のお姫様、くるみ。
もっと早く任務に行くべきだった。
2日前、呪霊の駆除の要請が僕に出された。こちとら忙しいのに、なんでそんな雑魚を僕に当てるんだ、と思ったけど、要請が出された場所の近くに あの月眼の女の子の家があった。
(まずいな……厄介なことにならなきゃいいけど)
古代より古く伝えられている 呪われた姫君の話。
ある国のお姫様が呪いの王に恋をした。決して許されな
い禁断の恋。しかし姫は王の命令にそむき 駆け落ちをしようとした。そして、それに怒り狂った王は満月の夜に姫の目を焼いてしまった。
瞳を焼かれた姫はショックのあまりに自殺をしようとした。
しかし呪いの王はそんな姫君を哀れみ、満月の光をあつめた義眼をプレゼントしたという。
それが今に伝わる月光紅の瞳。
神話かと思ったら結構ガチのやつだからビビっちゃったよね。
自分の娘の目を焼くとか、ありえないし。
月の光には魔力があるとか無いとかで呪霊が近寄って来やすい。だからこそ、くるみは危ない子なんだ。
くるみの家に出た呪霊の残骸から見て特級こそには劣るがそこそこ強いやつだったはず…。
倒すとなれば領域展開を使ったのか…?