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【名探偵コナン】黒の天使

第12章 予定外の連続


『え、あの3人と?』

「そうよ。言ってなかったかしら?」

バーボンとの任務から数日後。まさかのあの3人と一緒の任務。

『言われたかもしれないけど……』

「ライには3人でいいって言われたけど、警戒はまだしてるから」

『要は見張りってことね』

「大したことじゃなくて悪いけど」

『いいよ。最近の任務、割りと大きいのばっかりだったし』

そして今、私達は電車に揺られている。

『車出すって言ったじゃない』

「女に運転させる趣味はないからな』

『だったらバーボンの……』

「生憎調子が悪いんですよ」

電車にはいい思い出がないからあまり乗りたくないのだけど。例の一件以来乗ってなかったし。

「そういえば、あいつに聞いたんだが」

『あいつ?』

「お前、電車の乗り方知らなかったんだってな」

『なっ……』

明美……誰にも言わないでって頼んだじゃない!よりによってなんでライに……。

『しっ、仕方ないでしょ!乗る機会なかったんだもの』

「そうなんですね。それまで移動はどうしてたんですか?」

『……車よ』

「へえ……」

『何よ』

「別に」

警戒してるのもあるからか神経がすり減る。

「そういや、いつからここにいるんだ?」

スコッチが聞いてくる。この間バーボンにも同じこと聞かれたような……。

『15の時』

「んじゃそれより前は?」

『……悪いけど、妙な詮索辞めて』

「そうか。ごめんな」

そのままあっさりと引き下がる。

しばらく会話はなく、いくつか電車を乗り継いだ。

「ここからは……少し時間ありますね」

次の電車が来るまでいくらか余裕があった。バーボンは飲み物が欲しいと売店へ向かった。

『ねえ……』

「チッ」

話しかけようとした途端、ライが舌打ちをした。何かと思えば視線の先に……男の子?いや、女の子か?中性的な子だ。ライはその子の元へ駆け寄って何か話している。あの様子だと怒っているようだけど、知り合いだろうか?

「ったく……切符買って来てやるから待ってろ」

ライはそう言って行ってしまった。

残された子は悲しそうな顔をしている。そこへスコッチが歩み寄った。

「君……音楽好きか?」

そう言ってベースを取り出し弾き始めた。するとその子の顔もいくらか明るくなった。

……中身を抜いたはずのギターケースは形を保っていたが。
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