第109章 カイピリーニャは甘すぎる #3 ※
髪を掻き上げながら言うジンの姿が色っぽくて心臓がドキリと音を立てた。再び抽挿が始まりやってくる快感を必死に受け入れる。乱暴な感じがなくなったとはいえ、ジンが1回イくまでに私は数回イかされる。
そして、あるところでプツンと意識が途切れた。
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目を擦り数回瞬きをする。カーテンの隙間から日が差し込んできていて、どうやらとっくに日が昇ったらしい。そこそこの頻度で意識飛ばすのどうにかしないとな……。
だるさと鈍い痛みが残る体をどうにか起こす。ぼんやりと部屋を見回すが、ジンの姿はない。シャワールームにいるかと思ったが音は聞こえてこない。
タバコの残り香からして、ジンが出ていってからいくらか時間が経っているだろう。
『……はぁ』
私が目を覚ました時にジンの姿がないのは珍しい事じゃない。それでも、少し期待してしまった自分がいる。もしかしたら今日はいてくれるんじゃないかって。勝手に期待して勝手に落ち込んでるだけだ。
だるい体に鞭を打ってシャワールームへ向かう。鏡を覗き込んで、体中に散らされたキスマークに苦笑した。
ピンガに付けられたであろうキスマークは、ジンの噛み跡に消されてしまっている。にしても、毎回女を抱く度にあんな対応してるんだろうか。慣れた感じがしたからそうなのかもしれない。
『っ……』
無意識にジンとピンガを比べようとして首を振った。頭からお湯を被れば、やっと思考がはっきりしてくる。
いいんだ、ジンとはこのくらいの距離でちょうどいい。都合のいい関係だから。望みすぎて離れられるくらいなら、このままでいい。
バスルームから出てしばらくすると、ジンが戻ってきた。強くなったタバコの匂いとそこに混じるジンの香水の香りを吸い込む。
そう、これじゃなきゃ。鋭さと苦味のある、この匂いが好き。
「……なんだ」
『ん?なんでもない』
鏡を観るとニヤけた顔が映っていて慌てて表情を戻した。
「……少し寝る」
『わかった』
そのままベッドに倒れ込んだジン。よっぽど疲れてるのか、すぐに寝息が聞こえてきた。ジンに気を許されてるというのは気分がいい。
『……』
だからこそ、抱えている思いは口に出さない。しまっておかないと。一度言ってしまえばきっともう、歯止めは効かなくなってしまうから。
どんどん大きくなる好きという気持ちをまた胸の中に深く押し込んだ。