第74章 余裕なフリ※
身体に残る行き場のない快感に大きくため息をついた。どうせここで私が出ていかなくてもジンは平気な顔してるだろう。いつまでも湯に浸かって考えてたらのぼせるし……もう一度大きなため息をついて立ち上がった。
髪と身体を拭き、バスタオルだけ身体に巻いて部屋へ戻る。ジンはバスローブを身につけてベッドに寝転がっていた。これは……そういうことだと思っていいんだよね?
そっとベッドに乗り上げたが、微かに軋む音がしてジンが目を開ける。睨まれた気がしたがそのままジンに跨った。
「……盛るな」
『途中で放置したんだから責任取ってよ』
バスローブの間に手を差し込んでジンの胸元を撫でる。顔色は変わらないけど、ジンのモノがまた硬くなってきているのを感じてニヤけた。そちらにも手を伸ばしてそっと包み込むようにして擦る。
「……チッ」
『……ごめん、我慢できない』
ジンのバスローブをはだけさせて、私も身体に巻いたバスタオルを床に落とす。
そしてジンのモノを支えながら、自分の腰を落としていく。少し入っただけで腰が引けそうになるが、唇を噛んでゆっくりと体重を落とし……そして。
「っ……てめぇ……」
『う、あ……やば……』
ナカを満たされる感覚に、先程とは違うため息が漏れる。動かなくても一番奥に押し付けられているし、先程イけなかったこともあって頭が溶けそうなくらい気持ちいい。
ちらりとジンに視線を向けるけど、その顔にはまだ余裕が見える。
ジンの腹部に手をついて身体を支える。そして、腰を上げて……落とす。トン……トン……とかなりのスローペースで身体を動かす。自分でもわかるくらいナカがキュンキュンしてるし、ジンの息もさっきよりは荒くなってる……かも?
……この後、きっととんでもない仕返しが待ってるのはお約束。でも、それでもいい。少しでもいいから、余裕のないジンを見たい。その一心で動き続けた。
『あ……やばいかも……イきそ……』
「っ……」
ラストスパートをかけようとしたところで、ナカのモノが震えた気が……じんわりと広がる感覚に思わず動きを止めた。イきたかったし、もうすぐだったけどそれよりも。
『え……あれ?うそ……イった?』
ジンが私より先に?この様子じゃ勘違いではなさそうだし……というかこの何ともいえない優越感は、これはハマる。
『ふふ、気持ちよかったんだ?』