第54章 全部私が※
深くまで咥え込んでいたせいで、喉奥にジンの欲が放たれる。咳き込みそうになるのを堪えながら、手を動かして全ての欲を受け止めようとしたものの……なんか……量多くない……?
断続的にではあるが、まだ出るの……?予想以上の量で受け止めきれなくて、口を離す。まだ出切っていなかった分は私の胸に飛んで、やっと止まった。
こぼさないように、口に出た分は数回にわけて飲み込む。胸に飛んだものも指で掬って口に入れた。
『なんでこんなに出るの……しかも、いつもよりイくの早いし……』
「……知らねえ」
『もしかしてさ……誰も抱いてなかったりする?』
「……」
欲の多さと達する早さ……誰も抱いてなくて行き場を見失った性欲が、やっと発散されたなら納得。誰も抱いてないならさっきの涙返して欲しい。
「……何してる」
『ん?何って?』
「ぼーっとしてんなら押し倒して挿れるぞ」
『えっ……まだ待ってよ。私の用意できてないんだから』
連日抱かれていたならまだしも、今回は期間が空いてる。全く何もしない状態でジンのモノを受け入れられるか……無理じゃないかもしれないけど、ちょっと怖い。
私が全部、ということは挿れるのも私だから。
膝立ちになって自分の下に指を当てる。ジンに触れていただけなのに濡れ過ぎ……ほんの少し指を動かすだけでクチュクチュと音が聞こえる。
『んっ……ふ……』
視線だけを上げるとジンと目が合う。自分で弄っているところを見られてる……そう思うと顔から火が出るくらい恥ずかしい。
『ねえ……あんまり、見ないでよ……』
「……ならさっさとしろ」
そう言いながら視線は逸らされない。仕方なく目をギュッと瞑る。視線が合わない分、いくらかマシだ。
自分の入口に中指を当てて、ゆっくり埋め込んでいく。出し入れすると一際大きな水音が響く。
『うっ……あ……あぁ……』
ある程度解れたところで人差し指を入れる。2本の指でナカを刺激して解していく。
でも、欲しいところにうまく当たらない。当たらなくても気持ちいいけど、もどかしさの方が大きい。薄く目を開けると、またジンと目が合う。
『ジン……指、貸して欲しい……』
「あ?全部自分でやるんだろ?」
『私の指じゃ欲しいところに当たらない……お願い……』
自分の指を抜いてジンに近づき、気持ちをぶつけるようにキスをした。