第49章 衝撃の事実
『……だよね』
パソコンの電源を落とし、ベッドに座った。
「そいつらがどうかしたのか」
『あのテキーラの一件、解説したのが毛利小五郎なの。それに……』
私達のこと知ってるみたい、という言葉をどうにか飲み込んだ。
「それに?」
『なんでもない。何かわかったら教える。それより……』
一度立ち上がって、また新しく火をつけようとしているタバコを取り上げる。さすがに今日は多い。帰ってきてから何本目?
『吸いすぎ』
「関係ねえだろ」
また別のものを箱から取り出そうとするのでそれも取り上げる。
「ふざけんな、返せ」
『今日はもう駄目』
「返せ」
数歩逃げたところで捕まってタバコを奪い取られる。改めて火をつけようとするジンを睨む。
『……タバコのせいで早死したら許さないからね』
それだけ言ってベッドに寝転がった。するとジンのため息が聞こえて、すぐにベッドが軋む。
『……吸うんじゃないの』
「気が変わった」
そう言ってぐっと引き寄せられる。ついさっきまでパソコンを使ってたせいで目が冴えてるけど、目を閉じていれば寝れるだろう。
「……なんでアイツと一緒にいた」
アイツってバーボンのことだよね。タバコの数が多いのってそのせいだったり?
『帰り道で拾ってくれたの。ここに用があるからって』
「お前の任務からだいぶ時間が経ってる」
『一緒にいたわけじゃないよ。会ったのは本当に偶然。遅くなったのはちょっとお茶してきたから』
「……」
『何、ヤキモチ?』
「馬鹿なこと言ってんじゃねえ」
ジンの親指が私の唇を強く擦る。
「……にしても何を飲んだらあんなに口紅が落ちるんだろうな」
『……』
メイクを全て落とし終えた今となっては実際に落ちていたのか、確認のしようがない。カマかけてるだけかもしれないし……いや、隠そうとする私もタチが悪いとは思うけど。
何も言わない私に痺れを切らしたのか、服の裾から手が入ってくる。
『……するの?』
「だったらなんだ」
『手加減してよね』
「……明日の任務なんだ」
『ジンと一緒でしょ』
「……なら、朝立てなくても問題ねえな」
ジンが覆いかぶさってくる。
『……何か怒ってるの?』
「自分のものに手出されて、何も思わねえ程できた人間じゃねえんだ」
『……ヤキモチじゃん』
「……うるせえ」