第4章 下手くそ……※
『ああっ!や、まっ、てえっ……!』
腰を掴まれて、抉るように中を突かれる。入れられた直後の痛みはとうに消えていて、迫り上がる快感にどんどん溺れていく。
「っ……締めすぎだ」
『ああっ!あっ……もうっ……!』
迫る限界にシーツを掴み、目をぎゅっと瞑る。
「亜夜……」
耳元で聞こえた声に思わず目を開く。
コードネームを貰ってから、ほとんど呼ばれることのなくなった名前。ジンだって例外じゃない。
なんで今なのっ……!
『っ……ジン、もうだめっ……!』
僅かに残った、まだ溺れきってない思考でジンの名前を呼ぶ。
「本当に……てめぇはっ……!」
『あああっ……!』
更に激しく突かれて、いっきに快感が弾けた。
身体が震え、中が痙攣してるのがわかる……呼吸はしばらく整いそうにない。
少し俯き気味のジンの顔に手を伸ばす、が、その手は掴まれた。
と同時に中を突かれる。
『やっ……まっ、て、もうむりっ……!』
「……俺が満足するまで付き合え」
そのまま何度達したのかわからない。
もう、持たない……。
薄れていく意識の中で、ジンが何かを言った気がした。その声が届くことはなく、私は意識を手放した。
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目を開くと見慣れない天井。
あれ、私……。そこまで考えて、ジンとの行為を思い出す。
なんてことしちゃったんだ……!
同じ組織の仲間でこれからも顔を合わせるのに、どう接すれば……!
思考を巡らせていると、クスクスと笑う声が聞こえた。そちらに目を向けると……
『……なんでいるの?』
そこにはベルモットの姿。
「ジンに呼ばれたのよ。貴女の着替え持って来いって」
その言葉を聞いて、何故か胸の奥がキュッと締め付けられる。
『そう、なんだ……』
部屋を見回すけどジンの姿は見えない。
「ジンならさっき出てったわ……とりあえずシャワー浴びてらっしゃい」
そこで、今自分が何も身につけていないことに気づく。
慌てて立ち上がろうとするけど、身体が怠い。腰の痛みもある。
「あら、ずいぶん激しくされたのね……妬けるわ」
……なんで、こんなにベルモットの言葉にモヤモヤするんだろう。別に彼女とジンがそういう関係でもおかしくないのに。
「……そんな顔しないで。もうジンとは何もないから」