第39章 あと1年※
ズルっとナカから引き抜かれる。腕を掴んでいた手が離されて、力なんて入ってなかったからそのままベッドに倒れこんだ。
どうにか息を整える。顔が半分くらい枕に埋まっているせいで息はしづらいけど、体勢を変える気力はない。
また、ピリッと音がした。まさかと思って視線だけ向ければ、新しいゴムをつけているジンの姿。
『っ、やだ、もうむりっ……!』
「こっちはまだ満足してねえんだよ」
あっという間に身体を返されて仰向けになる。両脚をガっと掴んで開かされて、すぐにナカに入ってくる。意識しなくても、その気がなくてもナカがギュウッ……と締まる。
「っ……力抜け」
『うっ、むりいっ……ああっ!』
ゆっくりと引かれて、一気に奥を抉るように突かれる。身体の芯を突き抜けていく快感が、思考を全部刈り取っていく。
もうイキたくないのに、身体は快楽を受け入れ続ける。視界は生理的な涙で滲んでる。止まらない快感に狂ったように喘ぐことしかできない……もしかしたら、喘ぎ声というより悲鳴に近いのかもしれない。自分ではどう聞こえているのかなんてわからないけど。
「手、貸せ」
シーツを握りしめていた手にジンの手が触れる。そしてまた、腕を掴まれた。そのままジンの首に回される。
「……離すなよ」
そう言って抽挿が早くなっていく。快感に耐えるために掴んでいたものがなくなって、必然的にジンの背中に爪を立てた。
「っ……お前な……!」
『んあああっ!』
もう本当に無理、たぶんこのままでも意識が飛ぶ。ジンはまだイッてくれない。だけど、吐息がだいぶ荒いからもうすぐイッてくれるはず……いや、イッてくれないと困る。
「……まだ飛ぶな、最後まで付き合え」
そう言って荒々しいキスが落とされる。舌が絡み合って、吐息が混ざって、抑えることができない唾液が口の端から垂れる。その間も身体は震え続ける。
「くっ……!」
ナカにあるジンのモノが震えた。ゴム越しの熱を感じて、ジンの首に回していた手が落ちる。
「おい、大丈夫か」
『……』
声が出なくて、小さく首を振った。ボーッとしてると自然と瞼が落ちてくる。
ジンの顔が身体に寄せられた。そして、いたる所に吸い付いてキスマークを残されていく感覚。
「……まだ足りねえんだがな」
私、抱かれてる最中に死ぬんじゃ……そんな考えが湧いたが、完全に意識が落ちた。