第35章 溶けるくらい※
ナカを突きながらいろんな場所にキスが落とされる。腰を掴んでいた手は身体のラインをそっとなぞっていく。
『んっ、ふうっ……ああっ……』
声を抑えようと口元に手を置くけど、まるで意味がない。指の間からはしたなく漏れる喘ぎ声と吐息は少しずつ大きくなっていく。
『やっ、あぁ……また……っ!』
何度も達している身体はビクビクと震え続ける。でも、まだ足りない。
『ねえっ、もっと……!』
「たまんねえな……」
『うっ、ああっ!』
ナカも思考もぐちゃぐちゃ。全部溶けるんじゃないかってくらい。生理的な涙は零れ始めたら止まらないし、ベッドに落ちた手はシーツを掴む力もない。
ジンの左手の指が、私の右手の指に絡められた。
「フッ……ずいぶん良さそうだな」
『うんっ、ああっ……きもちいっ』
「っ……はあ」
『ねえっ……んっ、ジンも……?』
「……ああ」
『うれし、い……っああ!』
「くっ……締めすぎるな……」
『んあっ……また、イクっ……!』
「っあ……出る……」
『あああっ!』
私の身体が跳ね、同時に奥に欲の熱を感じた。音が止んだ部屋に荒い息遣いだけが響く。
「おい、寝るな」
『寝ない……けど、ちょっと休憩……』
「休む暇なんかねえだろ」
『んっ、えっ……ああっ、これだめ……っ!』
指の絡んだ手を引かれ、あっという間にジンの膝の上。しかも繋がったまま。所謂、対面座位ってヤツ。この体位も確かに気持ちいいんだけど、今のこのイキすぎた身体には刺激が強すぎる……だって、動かなくても最奥に押し当てられるんだから。
『ちょっとまって、1回抜いてよ……?』
「それはできねえ相談だな」
『んっ、ねえ、ほんとに……ああっ!』
抜いてくれないなら自分で、と思ったのに浮かせかけた腰をグッと掴まれ、下へ押さえつけられる。たったそれだけなのに達してしまった。力が入らなくて持ち上がらない頭をジンの肩に預ける。
「早すぎだ、馬鹿」
『はぁ、はぁ……馬鹿はどっちよ……ひっ、あああっ!』
ガツンっ、と奥を突かれて身体が仰け反る。身体の中心を強すぎる快感が突き抜けた。身体の震えが止まらない。
「1人だけ良くなってんじゃねえよ……っ!」
『やっ、ああっ……!』
またイッた。すると、ジンの手が私の頭の後ろに回され、そっと引き寄せられて口が塞がれた。