第24章 手解き※
「……誰にでもそういうことするんですか?」
『さあ……気分次第かしら』
「全く、貴女という人は……」
呆れたように笑いながら髪をかきあげる姿は目を奪われるほど色っぽい……それに見惚れたことを認めるのは癪だけど。
バーボンはシワの寄った自身のシャツに手をかけた。落とされるキスと視界の端にうつったゴムの袋。
「煽ったのは貴女です。責任、取ってくださいね」
ピリッと袋の破ける音。付けてあげるべきかと思ったけど、いらぬ心配だったよう。器用に片手で付けてるし。
『……本当に初めてよね?』
「ええ。何度もそう言ってるでしょう」
『私が相手でいいの?』
「……僕は貴女がいいんです」
そう言って微笑んだバーボンの表情に心臓が跳ねた。あの時と……海でキスされた時と同じ表情に。
「入れますよ……」
入口にソレが当てがわれる。少し身体に力が入った。受け入れたら、何かが変わってしまう気がして。ゆっくりナカへと進んでいくソレの圧迫感は、もちろんジンとは違うけど、でも、快楽を感じるには十分で。
『う、あっ……』
イかせてもらえなかった身体は、それだけで絶頂に近づいていく。その時、ゆっくり進められていたソレが一気に奥を抉った。
『んっ……ああっ!!』
「あれ……もしかして軽くイキましたか?」
『っ……』
「でも、すみません。今は余裕がないのでっ……!」
『ひっ……あ、まって……!』
何度も奥を突かれる。その動きは確かに慣れていないように感じた。でも、良い所を見つけて、そこを的確に突かれる。
『やっ!そこやだっ……!』
「……こんなに締め付けているくせに何言ってるんですか」
『まっ、イく……んああっ!』
腰が跳ねる。今日、ちゃんとイけたのは初めて。そのせいか、いつもより脱力感がすごい。
「ははっ……ずいぶんイキやすい身体なんですね」
『違う、薬のせい……』
「そういうことにしておきましょう」
また、腰を掴まれて抽挿が始まる。イってるのは私だけじゃない。バーボンも何度もゴムを変えて入れてくる。快楽に飲まれそうになる度に薬のせいだ、と自分に言い聞かせた。
「亜夜……」
イキすぎてボーッとした意識の中で呼ばれた名前と、頬に添えられた手、そして合わせられた目。
「僕は……貴女が好きです」
その言葉を理解するより早く口が塞がれた。