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【名探偵コナン】黒の天使

第16章 再度4人……


「誰だ」

『あ、別に何かあるわけじゃ……』

「チッ……明日部屋に来い」

『……わ、わかった』

「覚悟しとけよ」

そう言って電話が切れる。明後日の私は無事だろうか……。

「終わったのか」

『まあ……こっちがうるさくなったせいで』

「僕の不注意です。任務のことですか?」

『……そんなとこ』

「よし、準備できたぞ……最後くらいなんか賭けるか?」

『やだよ、私負けるもん』

「それなら1位の頼みをビリが聞くにしましょう」

『ちょっと……』

「いいんじゃないか」

私の意見は聞かれずそのまま始まる。今まで以上に真剣にやったけど……1位は透でビリは私。

『……で何すればいいの』

不本意だけど勝負だから仕方ない。よっぽどのことじゃなければ……。

「うーん、添い寝とキスだったらどっちをしてくれますか?」

「お前本気か?」

平気な顔して言ってのける透と焦ったような唯。大は呆れたようにため息をつく。

『じゃあ……キスで』

一晩中同じベッドにいるより、一瞬で終わるキスの方がいい。

「……いつでもどうぞ」

余裕そうな顔にイラッとしながらも口に軽くキスをした。離れようとすると舌で唇を舐められた。

「ご馳走様です……口にしてもらえるなんて思わなかったですけど」

『え……』

「どこにしろなんて言ってなかったよな」

確かにそうだったけど……嵌められた気分。透を睨むけど涼しい顔で受け流される。

『……もう寝る』

「ああ、おやすみ」

ムッとしたままベッド潜り、数分もしない内に眠ってしまった。


翌日、帰って早々にジンの所を訪ねた。問い詰められた挙句、気絶するまで抱かれたのは言うまでもない。

それからもあの3人と任務に行くことは度々あった。ジンといる方が嬉しかったけど、気を張りっぱなしで、それもあってかあの3人といる時はいくらか気が楽だった。任務が終われば名前で呼び合って、馬鹿みたいに話して……。他のメンバーとはできないことが彼らとはできた。

彼らに対しての嫌な感覚は消えなかったけど、それには気づかないフリをし続けた。勘違いだと思いたかった。腹が立つこともあったけど、楽しかったから……。

私は彼らを信頼しかけていた。いや、もう信頼してしまっていたのかもしれない。


あんな残酷な運命が待っているとも知らずに。
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