第1章 鏡 大倶利伽羅
なんとか逃れなければ…
しかし抵抗も虚しく右手、左足、左手……とだんだんと引っ張られ取り込まれていく
少しでも時間を稼いで考えを巡らせようと踏ん張っていると、
急に洗面台の電気が消えた。
そして明かりが消える瞬間、刃のひらめきが見えた
…と同時に、急に引っ張られる力が無くなり前につんのめった
そのまま前に倒れそうになる私を咄嗟に支えてくれたのは大倶利伽羅だった。
「あんた、怪我はないか」
急いで来てくれたのか、少し息が上がっている。
「う、うん…多分」
気付いたら先程までいたおぞましい生物の姿はどこにも無かった。
恐怖で固まっていた体から力が抜けてへなりとその場に座り込んでしまった。