第1章 鏡 大倶利伽羅
………。
気のせいだろう…。
そう思いながら口をすすぎ、再び鏡を見ると…
…やはり自分の後ろに何かがいる
この本丸の人間ではない何か
「『そいつ』に目を合わせてはいけない、無視しなければならない」
脳内で警報が鳴り響く
しかしそんな脳内の警告とは裏腹になぜか視線は「そいつ」に釘付けになってしまった。
爬虫類のような質感の肌は洗面台の小さな明かりに照らされ鈍く光っている。
その皮は体に対して酷く大きいようで襞がついているようだ。
そしてその肌には無数の目がついており、大半は自分に向けられている。
この世のものとは思えない「そいつ」を見た私はパニックになりながらもなんとか逃げなければと洗面所の出口に急ぐ。
しかしなぜだろうか、見たくないはずなのにずっと鏡越しにいる謎の生物から目を逸らすことができない。
結果的に後退りすることになり謎の生物に近づくことになってしまった。
謎の生物から手と思われる触手が自分の体にじわじわと侵食しようと伸びてきた。