• テキストサイズ

紅玉の瞳

第2章 傷負う君も愛す


「すまなかった」

後処理をして杏寿郎はほのかを優しく撫でた

「なにが?」

ころんと転がるほのかは杏寿郎を見上げる

「無理矢理してしまった」
「そんなことないわ」
「だが...初めてだっただろうに...悪かったな」

申し訳なさそうに杏寿郎は眉を下げた

「謝らないで?」

そう言って杏寿郎に抱きつくほのか

「杏寿郎の好きにしていいのよ」
「そ!んな言葉どこで覚えてきたんだ!?」

驚き思わず声を大にする

「しー!起きちゃう!」
「む、いかんいかん」

口を押さえ笑い合う二人


幸せな時を過ごした


翌日蝶屋敷に用を頼まれて出向いた
そこで不死川と出会す

「こんにちは」
「あぁ」
「今日もお線香ですか?」
「まぁな」

律儀に毎月やってくる不死川は丁度帰るところだったみたいだ

ふと不死川の目がほのかの首に行く

そこには昨晩杏寿郎がつけた所有の証が見えていた

「おまえ、そうゆうの見えないところにつけてもらえよな」
「え?」

ここ、と不死川は自身の首に指を当てる

ほのかはかぁぁっと赤くなる

「まぁ仲良くやってるたいで、よかったな」

不死川は片手を上げて通り過ぎていく

どうやら恋仲になったみたいだと不死川は悟る

胸が苦しくなるのを感じながら屋敷を後にした




「杏寿郎ったら!どうしよぉ」

ほのかは首を押さえ戸惑う
隊服の襟から丁度見える位置につけられた証は隠しようがなかった

足早と用事を済ませて煉獄邸へと戻る

「杏寿郎!!」

帰るや否や杏寿郎を連れて行く

「どうした?」
「どうしたじゃないわよ!こんな所につけるなんて!」
「俺のだって証だ」
「もぉ!不死川さんに注意されちゃったじゃない!」
「...会ったのか?」

ピクリと眉を上げる杏寿郎

「蝶屋敷のお使いで会ったのよ!もぉ恥ずかしい!」

杏寿郎は不死川の名前が出てきて面白くなかった

ふいにほのかの唇を塞ぐ

「んぅ!?」

どんどんと胸板を叩くがびくともしない

「む...嫉妬してしまった」
「え?どうして?」

どうしてかと聞かれて口籠る
己の未熟さに腹が立った

「なんでもない」
「どうしたのよ」
「ほのか、好きだぞ」
「もぉ...だからって次は見えないところにしてよね」






/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp