第2章 傷負う君も愛す
次もあるのかと思わず笑みが溢れた
「本当どうしたの?」
百面相をする杏寿郎に首を傾げるほのか
「次は気をつけるよ」
笑顔で頭を撫でた
その意味にかぁっと赤くなるほのか
「あ、つ、次って!いや、その...!」
「ははは!分かっている。ほのかがそんなこと考えもせずに言ったことくらい」
杏寿郎は可笑しくなり腹を抱えた
「もぉ!杏寿郎、そんなに笑わないでよ!」
「悪い悪い!ほのかが可愛くてな」
ぷくっと頬を膨らませほのかは顔を背けてしまった
「怒っているのか?」
「...怒って、ないけど」
「ん?」
「恥ずかしかったのよ」
俯きぼそっと喋る
そんなほのかを杏寿郎は心底愛おしく思った
杏寿郎とは夜を共に過ごす時は必ず身体を重ねた
何度も愛を育み
いつしかほのかの中は杏寿郎で満たされていた
まだ祝言を挙げる予定はなかったが
周囲には二人の関係が広まっていた
勿論、柱の皆にも伝わっている
そんな幸せの真っ只中
杏寿郎はある任務へと出向くことになった