第2章 傷負う君も愛す
「ふぅッ、んぅうンッ」
甘い声が漏れ杏寿郎は微笑む
「可愛いな」
指をくっと曲げ中へとゆっくり挿入させる
「痛くないか?」
びくんと跳ねるほのかを優しく撫でる
首を横に振ると分かったかのように指を奥まで挿入する
締め付ける肉壁に指が狭く感じる
「これはもう少し慣らさないと駄目だな」
そう言って関節を曲げ中を掻き回すと抑えていた声が漏れ出る
「ぁあッ」
「ほら静かに」
そう言って唇を唇で塞ぐ
「ふぅッうぅンッッ」
ぴちゃぴちゃと音を立て部屋に響かせる
その音にほのかは恥ずかしくなる
杏寿郎の指をぐっしょりと濡らし滑らかになった中はほのかが呼吸をするたびにひくついた
「もう...我慢ができそうにない」
杏寿郎は苦しそうにベルトを外しズボンを脱ぎ捨てた
ピンと反り立つそれを見てほのかは目を丸くさせた
初めて見る男の象徴
これが今から自分の中に入るのかと瞳を閉じた
「ほら、目を開けてごらん」
優しい声で杏寿郎は言った
「大きく息を吸って...目を開いて」
その言葉と同時に杏寿郎のそれが侵入してくる
指とは違った痛みに目を瞑ってしまう
「ゆっくりするから」
少しずつ、少しずつ中へと入っていく
くちゅくちゅと音を立てゆっくりと動く
ほのかは杏寿郎の腕をギュッと握る
「ぁッあぁッ」
「ほら、大丈夫」
痛みが遠退き快感へと変わっていく
少しずつ律動を早め
腰を動かすとほのかの声も甘い声へと変わる
「んッぁッ...ぁあッ」
「良くなってきたか」
こくんと頷くほのかの手はしっかりと握られている
重なり合う掌
ぐっとほのかの爪が食い込む
その刺激さえも愛おしく杏寿郎は額に口付けをした
「ほのかッ、好きだ」
眉を寄せ苦しそうにする杏寿郎
ほのかはそんな彼の頬に手を添える
「きょ、じゅろぉ」
名前を呼ばれれば込み上げてくる欲
くっと我慢するが抑えようがない
何度目かの律動後にそれを引き抜きほのかの腹に欲をぶち撒ける
「ッはぁ...」
名前を呼ばれただけで果ててしまうとは
どれほど愛おしいのだろうとほのかを見つめる