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紅玉の瞳

第2章 傷負う君も愛す


「杏寿郎!私は、大丈夫!!」

肩を押さえほのかが叫ぶ
深く噛まれた肩が上がらない


ー炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天(のぼりえんてん)ー


下から大きく振り上げられた刃は鬼の首を斬り
吹き飛んだ

激しく吹く血飛沫
鬼は体が灰のように散らせた

杏寿郎は急いでほのかの元に駆け寄る

「ほのか!大丈夫か!」

ドクドクと流れる血液を必死に押さえるが止まろうとしない


隠れて控えていた隠が姿を表し、応急処置をしてくれる

「ごめんなさい」
「謝ることはない!」
「私役にたたなかったわ」

肩を落とすほのかに杏寿郎は声を張る

「ほのかがいてくれたから鬼を倒すことができた!被害も抑えることができた!」


小屋に目をやるとまだ生きている隊士や街の人が手当てをされている

数名の命を守ることができたのだ

惜しくも失われた命にほのかは目を伏せる

もう少し早く来ていれば助けられたかもしれない命に心が痛んだ

「さぁ、早く蝶屋敷に行こう」

杏寿郎はほのかを抱き抱えて立ち上がる

「ちょっと!私歩けるわ!」
「気にすることはない!」

そういう問題ではなく単純に恥ずかしかった

しかし満更でもない杏寿郎にこれ以上言っても聞かないことはほのかも知っている

大人しく抱かれて行くことにした  


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